子犬のしつけ メニュー

捨て猫は誰のもの?

ペットの法律相談所



去年の秋、捨て猫を拾いました。海沿いで出会ったのですが、本当に懐っこくて、その辺りでは人気者だったようです。近所の方に話を聞いたところ、首輪もなくずっと海沿いにいるのでおそらく飼い猫ではなく、まだ1才にもなっていないのではということでした。やせ細った姿でずっとくしゃみをし続けているその子を見ていられず、これは何かの縁だと感じ、家で飼う事にしました。
ここで不安になったのが、もしこの子が飼い猫で、飼い主さんが探していて返さなくてはいけなくなったら…この子を飼い始めて3ヶ月。もう渡すことができません。もしあの時そのままにしていたら、海風に当り続けたあの子は死んでいたと思います。このような場合、新しい飼い主である私が以前飼っていた飼い主さん、どちらが引き取るのに有利なのでしょうか。




 犬や猫に飼い主がいないことが明らかな場合(たとえば、「誰か拾ってください」と書いてある段ボールに入っていたような場合)であれば、その犬や猫には所有者がいないこととなります(法律上、このような犬や猫を「無主物」と呼んでいます)。このように所有者がいないことが明らかな犬や猫は、所有の意思をもって占有した人、すなわち、飼った人に所有権が発生することになります。これを、民法上、無主物先占といいます(民法第239条1項)。
また、「家畜以外の動物で他人が飼育していたものを占有する者は、その占有の開始時に善意であり、かつ、その動物が飼主の占有を離れた時から1ヵ月以内に飼主から回復の請求を受けなかったときは、その動物について行使する権利を有する」と定められています(民法第195条)。ただ、ここで言う「家畜」には、牛や豚は当然ですが、犬や猫も含まれるとする解釈がありますので、民法195条は適用されない可能性があります。
そこで、遺失物法に基づき、遺失物を拾得したとして警察に届け出ることをお勧めします。その際、警察に「飼い主が現れなければ自分が飼うので、飼い主が現れるまで預かりたい」旨の申請をすれば、そのまま預かることができる場合が多いです。この遺失物拾得届から、6ヵ月が経過しても飼い主が現れなければ、その所有権は届け出た人に移転することになります。
従いまして、本件では、速やかに遺失物拾得届出をしておくべきです。それをしていない場合、以前飼っていた飼い主が現れると、その飼い主の方が引き取るのに有利になってしまいます。

ペットのことからおうちのことまで住マイルワンにおまかせペットのことからおうちのことまで住マイルワンにおまかせ