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冬の病気について

病気の知識




こんにちは。アニマル医療センター 桃ペットクリニック 院長の加藤です。
大分寒くなってきましたね。皆さん、冬は何をして過ごしますか?私は学生時代にスキーを飽きるほどしたせいか、最近は全くスキー場に行く事もなくなってしまい、冬のスポーツは特に何もしない状況です。最近では出不精なのも加わって、家でDVDを見るのがほとんどでの生活です。そんなさむ~い時期の今回は、『冬の病気』についてお話します。


【冬の病気はどんなものがあるのか?】

冬の病気は多々あり動物によっても違いますが、顕著に増えるのが猫の「泌尿系の病気」です。具体的には膀胱炎・尿道閉塞・腎不全で、単独発症の事もあれば、それぞれが関係している事もあります。原因は色々有りますが、寒くなり飲水量が減るのも原因の一つです。他に犬ではここ2~3年「ウイルス感染」が多くなっています。ウイルス感染というのは人間の風邪のようなものです。以前ならワクチンを摂取していれば感染しなかったのですが、最近は少し違う症状の感染症が増えています。ウサギでは「毛球症」という胃に毛玉等が詰まって胃の動きが止まってしまうものがあります。どれも初期の段階で気がついて治療をすれば大事にならずに済みますが、治療が遅れると手遅れになる事もある非常に怖い病気です。


【何月から始まり、どれくらいの期間つづくのか?】

冬の病気は大体11 月頃から始まり2 月頃まで多くなります。ストレスで免疫が下がると発症しやすくなるため、正月明けに重症例が増える傾向があります。


【その病気で起こる問題はどういったものか?】

尿が出なくなり、最後に腎不全になり死亡します。通常は尿が出ない段階で病院に来ますが、その時点で腎不全を起こしていることもよくあります。「ウイルス感染」の場合は、嘔吐・下痢から始まり発熱・脱水が起こります。成犬でワクチン接種をしっかりしていても感染します。「毛球症」は胃の動きが止まるので、食欲低下・腸運動停止→死亡という流れです。ウサギの「毛球症」に関しては、食欲低下または便量の低下の段階で治療を始めないと手遅れになる可能性が非常に高いです。


【治療と予防について】

その1【治療代はいくらくらいかかるのでしょうか?】
治療費は症状の重さによってかなり変わります。初期なら初期ほど治療も軽く費用も少なくて済みます。例えば「泌尿系の病気」では、膀胱炎の段階で発見・治療すれば当院の場合で数千円、尿道閉塞にまで発展した状態では入院が必要になる事もあり数万円、手術が必要な状態では10万円以上かかることになります。さらに腎不全を発症すれば入院期間も長くなる事があります。膀胱炎は再発する事も多く、一度治った後も定期的に検査をすれば検査費用(千~ 2千円)はかかりますが、重症にもならず結局費用も少なくて済みます。

その2【冬の病気を防ぐ方法】
冬の病気を防ぐ方法は、寒さによるストレス・冬休みや正月によるストレスを少なくする事です。他に家庭でできる病気の早期発見は、排尿・排便・食欲の管理です。今回の病気以外も、まず排尿・排便・食欲に異常が出てくる事が多いです。もう少し踏み込んだ予防法だと、血液検査や超音波検査等の健康診断になります。犬・猫では6歳以上になったら、半年毎の健康診断をしてあげると他の病気も早期発見できて良いですよ。


全体的なまとめ

冬はペットの免疫力も下がり、重症な病気になりやすい時期です。特に高齢ペットでは正月明けに体調を崩し死亡する事が多く、飼い主の生活サイクルの変化や外出による留守番、来客による緊張等がかなりストレスになっていると思われます。ストレスを全くなくす事はできませんが、よくペットに話をして説明してあげる事で、かなり安心させる事はできます。ペットは人間の言葉をよく理解していますし、飼い主の心の内も読み取ります。飼い主がペットに愛情を持って少しの気遣いをしてあげれば、必ず通じて健康に暮らせるはずですよ。

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