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犬・猫の花粉症対策

病気の知識




こんにちは。アニマル医療センター 桃ペットクリニック 院長の加藤です。今年は花粉の量が多いらしく、花粉症で苦しむ方も多いのではないでしょうか?私が子供の頃は花粉症なんて言葉は無かったような気がします。私は当時、アレルギー性鼻炎と言われており、いつも鼻がグジュグジュしていました。大学生の頃は実習先の牛舎の掃除等ホコリっぽい場所で苦労しましたが、獣医になっていつも動物と触れ合う事を続けているうちに、強制的に体が慣れたのかアレルギーも出なくなりました。では動物たちはどうでしょうか。今回は犬・猫の花粉症についてお話します。


【犬や猫もなる花粉症】

犬・猫も人間と同じように花粉症になります。春は花粉の量が多くなるので、いつもは症状が出ない場合でも、アレルギー症状が出る場合があります。アトピーなどの持病があるペットに限らず、普段アレルギー症状が無いペットでも花粉症を起こすこともあります。アレルギーはいつ発症しても不思議ではないので、去年まで大丈夫だから今年も大丈夫という事はありません。ワクチンによるアレルギー反応も同様で、いつ起こっても不思議ではありません。


【症状】

症状は、人間と同じようにくしゃみ・鼻水・目やに・目のかゆみ等様々です。稀に下痢等の消化器症状を起こす場合もあります。一見、風邪(感染症)のようにも見えますが、発熱が無く食欲・元気があれば、感染症の可能性は低いので花粉症を疑う事になります。特に春は、花粉症の可能性が高くなります。人間のように直接、体の調子をペットに聞けないので、検査等で感染症や他の病気の可能性を消去しないといけない場合もあります。確定診断するまでに時間がかかることもありますが、花粉症と同じような症状でも、他の重大な病気の事もあるので、安易に花粉症と決め付けるのは良くありません。


【対策】

花粉症対策はなかなか難しく、ペットにマスクやメガネをさせるわけにもいかず、現実的には薬で早目に症状を抑えることになります。症状がひどくなると鼻粘膜が荒れてしまい、より症状もひどくなり、治療も難しくなってしまいます。また、ペットは人間より床に近い所に鼻があり、床に落ちた花粉を吸い込みやすいので、頻繁な掃除や空気清浄機が有効な場合もあります。他には、散歩から帰ったらよくブラッシングをして体表の花粉を落とすのも有効です。またアトピー性皮膚炎のペットは、花粉の時期に皮膚症状が悪化する事が多いので要注意です。


【花粉症かな?と思ったら…】

花粉症かな?と思ったら…まずはよく観察をして、症状がどんなときに出やすいか・ひどくなるかを把握してください。散歩後や外気に触れた後に症状が出るなら花粉症の可能性が高くなるので、獣医さんも診断しやすくなります。外出を控えたり、対策をしても良くならない場合は動物病院で薬を処方してもらいましょう。花粉症なら薬の使用も一時的な事なので、薬の副作用を必要以上に考えなくても良いでしょう。【症状】の部分でも書きましたが、他の重大な病気の場合もありますから、安易に花粉症とは決め付けないでください。


全体的なまとめ

鼻水グジュグジュとかは動物も嫌みたいですし、目がかゆくて掻いて結膜炎にまでなってしまう場合もあります。そうなるとエリザベスカラーをしたり、抗生剤使ったりと花粉症以外の治療も必要になってしまいます。以前から毎回のように書いていますが、何事も早目の対策が有効なのです。花粉症は病気ではないとも言えますが、症状を抑える薬も色々ありますので獣医さんに相談してみると良いですよ。当院でも春になると花粉症のペットが来ますが、飼い主さんたちの中で「動物にも花粉症がある」という認識が無い人が多いような気がします。基本的に人間も犬・猫も体の構造は同じなので、病気も人間と同じ様にありますし、心の中も人間と同じ様に色々な感情があるのですよ。人間よりも繊細な部分も多々ありますからね。

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