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ダイエット大作戦!!

病気の知識




こんにちは。アニマル医療センター 桃ペットクリニックの院長の加藤です。夏も終わり、皆様の夏はいかがでしたか?夏の前にダイエットに成功した人も、失敗して水着になりにくかった人も、水着を着る機会が無かった人も今度は食欲の秋になってきます。食べる事は人生の楽しみの一つですが、上手に食べていかないと後で大きなしっぺ返しを食らう事になります。ペット達は人間以上に食べる事が楽しみなので、飼い主の責任として健康体を保てるような体重管理をしてあげて欲しいものです。


【もしかして肥満!?】

『もしかして肥満!?』と自分のペットを見て感じている飼い主も多いのではないでしょうか?日々の診療では50%程のペットが肥満傾向にあります。しかし、どうやって痩せさせたらいいのかが分からない飼い主が多いようです。また、太りすぎが健康に悪い事もよく分かっているけど、おやつや食事を多めに与えてしまうという飼い主も多いようです。やはり、かわいいペットがおいしそうに食べている姿を見るのは、飼い主にとってもうれしい事なのでしょう。犬猫共通の肥満の見分け方はペットを後ろから(お尻の方から)見て、腰がくびれていなければ肥満傾向です。他にも『あばら(肋骨)』が触れなければ、かなりの肥満です。少し脂肪が付いていて、あばらが軽く触れるぐらいがベストです。内臓脂肪が付いていると、お腹が『ダルン』と胸よりも下に垂れています。慣れた獣医ならば、レントゲンや超音波で調べるまでもなくすぐ分かります。


【肥満のリスク】

肥満のリスクとしてまず、病気になりやすくなります。代表的なものは、心臓病・糖尿病・関節の異常・皮膚病・ヘルニア(特にダックス・コーギー)等です。他にガン(悪性腫瘍)になりやすいというデーターもあります。また、治療薬は『体重1kgあたり何mg』のように使用する量が決まっていて、体重が重くなれば使う薬の量も増えます。薬は有効な作用も有りますが副作用も有りますので、体重が軽ければ副作用も少なくて済みます。他には、手術が必要な場合も、脂肪が多いと手術の邪魔になる為、余計な時間が掛かりますし、使用する麻酔剤の量も増えます。まさに、『百害あって一利無し』です。


【ダイエットの方法】

ダイエットの方法ですが、基本的に運動で痩せるのは至難の業です。若くて健康なペットなら痩せるほど運動させてもいいでしょうが、すでに肥満になっているペットに運動させれば、心臓にも関節にも負荷が掛かります。肥満は摂取カロリーと消費カロリーの差だけで決まりますから、どんなに運動しても消費カロリー以上に食べれば太ります。毎日の食事のカロリーをいかに下げつつ、ペットにひもじい思いをさせないかが焦点になります。ペットフードを使用している方は、肥満用のペットフードに変更するのも良いでしょう。病院の処方食には市販の物よりダイエット効果の高い物もありますので、獣医さんに相談するのも良いでしょう。しかし、肥満用のペットフードは同じ量ならカロリーは低いので、ペットは普段よりも沢山食べたがる事があります。これは、体は単純に胃が一杯になれば満足するのではなく、血糖値や摂取カロリーを体が感じるため不足と感じ要求するからです。ダイエット中にはある程度仕方の無い事ですが、ゆっくりダイエットしてあげれば、そんなに苦ではないはずです。どちらかというと、飼い主が計画的に行動できるかが問題です。『手作り食』の方が飼い主自身で内容を調節できるのでダイエットには向いていると思いますが、必要な栄養素や注意点も多々ありますので、獣医さんに相談してみても良いでしょう(獣医さんの中には手作り食に否定的な人もいますが・・・)。


全体的なまとめ

ペットは人間のように、たくさんの娯楽や楽しみを選択できません。食べる事・散歩・ボール投げや猫じゃらし・恋(最近は避妊・去勢手術されてしまう場合も多いのでこれも無し)等ほんの数えるほどです。その中でも最大の喜びの食べる事を制限してしまうのが『ダイエット』です。短い命なのですから、思いっきりおいしい物をたくさん食べさせてあげたいですよね。動物は塩分や脂分や糖分が大好きです。我が家の犬も、ちょっと高級なアイスクリームなんかあげると体が震えるほど喜びます。でも、健康の事を考えると、年に数回の記念日ぐらいに留めています。ペットはおいしい物をもらう事だけがうれしいのではなく、飼い主から何かをもらうという事も、喜びの一つのような気がします。褒める事もすごく喜びますし、ボール投げやお腹をさすってマッサージをしてあげるのも喜びます。一緒に寝るのも本当に嬉しそうです。ダイエットの際は野菜のような低カロリーの物をおやつ代わりにあげるのも良いでしょうし、普段より沢山遊んだり褒めて気を紛らわせてあげるのも良いのではないでしょうか?太らせるのも愛情でしょうが、適正体重を保って健康維持に努めるのはより愛情がないとできない事です。

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